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 超音波で金型硬度検査合 -機能素材加工課・山岸副主幹研究員-


概要 「出典:北日本新聞 掲載日:2021年6月23日(水曜日)」
 超音波を使ってアルミダイカスト−金型の硬さを検査する技術を、富山県産業研究開発センター(高岡市二上町)が開発した。従来の測定法に比べ病度が格段に高い上に、金型を傷つけずに正確に状態を把握できる利点がある。将来、IoT(モノのインターネット)技術として活用し、人工知能(AI)との組み合わせることでものづくりの高効率化への寄与が期待できるという。
職員のコメント
 アルミニウム等を成形するダイカスト金型や熱間鍛造金型には、一般に耐熱性の高い熱間工具鋼が用いられます。このような金型は使用により硬さが低下していき、最終的にはクラックなどが生じることで製品品質や製造そのものに影響を及ぼします。適切な金型運用には、使用に伴う硬さ低下を把握する必要がありますが、金型の硬さを現場で簡便かつ正確に非破壊測定する現実的な手法は無いと言えます。
 本法は、金型の表面近傍にのみ超音波を伝播させて、その到達時間から硬さを知る手法です(透過波法)。鉄鋼材料は一般に熱処理で弾性率が変わらないと思われていますが、実は金型の硬さが低下すると結晶構造の変化に伴い弾性率がわずかに増加します。本法はこのわずかな変化を抽出するもので、既に検査技術として特許を取得しています。モバイル機器として工場全体の金型管理のほか、金型に付帯させたIoT技術としての利用が期待できます。

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