ホーム > お知らせ >

報道・新聞

 青銅の一輪挿し「実は3Dプリンター製」 県産業技術研究開発センター コンテストで入賞
 デジタルものづくり課・山本主任研究員-


概要 「出典:北日本新聞 掲載日:2021年10月28日(木曜日)」
 県産業技術研究開発センターの主任研究員らが作った青銅製の一輸挿しが、工作機械大手が主催する切削加工コンテストで芸術賞に選ばれた。県が27日、発表した。
 一輪挿しは、山本貴文主任研究員と、デザイン事務所「A-PLUS」(高岡市)の相川代表が共同で作った。
 3Dプリンターを活用して、高岡銅器で広く使われる青銅を造形し、彫刻や着色を施した。先端技術と伝統工芸技術を調和させた点が評価された。センターは「3Dプリンターの標準材料ではない青銅の造形技術も確立した」と話す。
 コンテストは、DMG森精機(名古屋市)が2004年から行う。今回は51点の応募があり、20点が金賞や芸術賞を受けた。12月13日に都内で表彰式を開く。

職員のコメント
 金属3Dプリンターを用いれば、どのような金属・形状でも簡単に出力できると思われがちですが、実際には多くの制約があります。例えば、工業的に利用可能な金属の種類は装置メーカーが標準材料に定める材質(アルミ、鉄系材料など)に限定されており、これ以外の材質の場合は造形条件等を最適化する必要があります。そこで我々は、金属3Dプリント技術と伝統工芸技術との技術調和に着目して、高岡地域で鋳造材として馴染みのある青銅(銅と錫の合金)の造形技術を開発しました。
 応募作品は、伝統工芸品である「一輪挿し」に、金属3Dプリンター特有のデザイン思想を取り入れ、彫金や着色を施したものです。高岡地域の伝統工芸の美しさを生かしつつ、3Dプリンターにより特殊な形状の一輪挿しを実現しました。金属3Dプリント技術は「型」が必要ないため、伝統工芸品のような「一品物」の作製に向いています。また、鋳造では作製困難なデザインや新しいアイデア・機能を実現するポテンシャルも秘めていると考えています。何か、お困りの案件がありましたらお気軽にお問い合わせください。

 ホーム > お知らせ >