平成15年度 研究課題外部評価報告書( |
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研究テーマ名 | ナノ構造制御によるポリオレフィンの高性能化研究 | |||||
研究実施期間 | 平成14年度 〜 平成17年度 | |||||
研究概要 | ポリオレフィン(PO)の透明性、柔軟性、接着性等のマクロな物性を、ポリマーブレンドや添加剤を用いたミクロな高次構造制御により改良することを試みる。POと他ポリマーや添加剤を混合した時の変化を、ミクロンスケールからナノスケールにわたる高次構造を解析する手法を確立しながら検討する。さらに構造と光学物性、熱物性、粘弾性的性質等の基礎物性の関連を検討し、ナノ構造制御によるマクロ物性制御の可能性を探る。これらにより得られた知見を実際の製品に応用できるよう、実用物性を考慮しながら材料の最適化を進め、新たな樹脂材料を提案する。 | |||||
評価項目* | 計画の進捗度 | 目標達成の 可能性 |
期待される 効果 |
合 計 | ||
4 | 4 | 4 | 12 | |||
4 | 4 | 4 | 12 | |||
4 | 3 | 3 | 10 | |||
3 | 4 | 5 | 12 | |||
5 | 4 | 4 | 13 | |||
4 | 4 | 5 | 13 | |||
4 | 4 | 4 | 12 | |||
4 | 5 | 4 | 13 | |||
委員平均 | 4.00 | 4.00 | 4.13 | 12.13 | ||
委員のコメント | ・かなりの成果がえられているが、より一層の機能の高性能化が求められる。 ・高性能化の方法は必ずしも明確でない。 ・構造(制御)と物性(透明性、耐熱性、柔軟性)の関係をより明確にする必要がある。 ・明確な材料設計指針が得られれば、波及効果は大きい。 |
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・透明性の改善にチャレンジしたのは価値があると思います。 ・プラスチックの世界で当たり前と思われている問題は他にもあると思います。果敢なチャレンジを期待したいと思います。 |
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家庭・一般用途のPO材には第1にコストの低廉さが要求されると思います。最近テレビで宣伝されているアメリカ製の(材料名は忘れましたが)透明性の高い、ハンマーで叩いても割れない、熱に強い高分子製のタッパーが約1,000円で売られています。例えばこの商品と比較した場合今回の材料による製品の価格はどのようになるか、試算されても良いかと思います。 |
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ポリプロピレン(PP)に工夫を加えることで、現在より透明、高耐熱なPPの実現を目指すもので、有用な研究である。価格の安いPPにより、価格の高いPC、PESなどしか用いられなかった商品分野に進出できる可能性を示しつつあり、将来の発展が期待される。ただし、この種の研究開発はマーケットをにらみながら行う必要があり、大きな展示会に出展して多くの企業の人の意見を聞く機会をつくることなども特に重要になると思われる。 | ||||||
・PPと相溶するSTPEを見出すのみならず、透明性の高い耐熱樹脂容器も試作しており、研究開発は計画より1年早く進んでいる。 ・独自で有用な研究成果は特許出願し、知的所有権を確保されたい。 ・透明性や耐熱性の一層の向上を図るためにも、結晶高次構造の解析とそれが物性に及ぼす効果の解明に主力を注がれたい。 |
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・従来より優れた物性材料を見出すなど、研究計画が順調に推進されており、今後の研究展開に期待している。 ・高性能化した材料開発研究を進める上で、材料設計指針を構築するための基盤的な研究として推進するか、各種製品開発のための目標性能達成を目指した開発研究として進めるかについて配慮しながら研究開発を推進して欲しい。 |
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物性を活かした更なる用途拡大の(提案をする)余地が大きいのではないか。 | ||||||
・透明性の追求は、用途に応じて、十分価値のあるものと思います。 ・さらに広く活用される様県内PVC押出メーカーへの働きかけがあればよいと思います。 |