平成16年度 研究課題外部評価報告書( |
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研究テーマ名 | 厚膜圧電体を用いたマイクロアクチュエータの開発 | |||||
研究実施期間 | 平成15年度 〜 平成17年度 | |||||
研究概要 | 富山県内のIT機器部品製造関連の中小企業の活性化と新規産業の創出を促進するために、富山県工業技術センタ−を中心として、富山県立大学および富山県内の技術開発意欲の高い中小企業が連携し、新製品開発および新製造技術として、非常に有効な、「厚膜圧電体を用いたマイクロアクチュエータの開発」を強力に推進する 。 厚膜圧電体の組成および作製条件を検討し、さらに下部電極とシリコン基板との密着性を改善し、厚膜圧電体の高機能化を行った。厚膜圧電体付きシリコン基板の微細加工を行い、変位量の比較的大きな圧電マイクロアクチュエータを開発した。これを利用し、電子部品作製用のインクジェットヘッドを試作した。インクジェットヘッドの評価方法を検討し、電子部品のインクジェット技術による作製についても検討した。 |
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評価項目* | 計画の進捗度 | 目標達成の 可能性 |
期待される 効果 |
合 計 | ||
4 | 4 | 4 | 12 | |||
4 | 5 | 4 | 13 | |||
3 | 3 | 4 | 10 | |||
3 | 3 | 3 | 9 | |||
4 | 3 | 4 | 11 | |||
4 | 4 | 5 | 13 | |||
4 | 4 | 4 | 12 | |||
4 | 4 | 5 | 13 | |||
委員平均 | 3.8 | 3.8 | 4.1 | 11.6 | ||
委員のコメント | ・インクジェットヘッドの開発で、インク吐出が出来ないとのことであるが、圧電体の変化量は充分なのか。 ・成功すれば、波及効果の大きな研究課題である。 |
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新しい可能性を導くと考えられる。 大手の会社研究機関に任せるのか懸念がある。 |
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・解決すべき点が多々あるように見受けられます。 ・厚膜圧電体の焼成雰囲気をもう少し検討してはいかがでしょうか。 ・このような圧電マイクロアクチュエータは電子部品のインクジェットヘッドとして今後要求が高まると考えられます。一層のご努力を期待します。 |
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スクリーン印刷を用いて厚膜圧電体をパターン化して配置する等、面白いアプローチを行っている研究である。この圧電体を用いてインクジェットを製作することを目的としているが、インクジェットの開発自体はエプソン社等で従来から大規模な研究開発が行われ、すでにPDP用の配線、有機ELの発光層の塗布、薄膜トランジスタ製作にも転用されており、知的財産権にも注意を要すると同時に、ここでの研究ターゲットの明確化、従来技術との差別化が必要である。特に、インクジェットの場合、使用目的ごとにインクの性質が異なり、それに応じてインクジェット内部の内壁処理の方法が異なるため、それらを合わせた総合的な検討が必要である。ものにするのにはかなりの覚悟が必要な研究であると予想される。 | ||||||
マイクロポンプの実現等、研究は着実に進展している。 インクジェットへの応用については、実用化されているプリンターへの活用以外にも様々な技術分野への展開が進められているナノテクの基盤技術であり、実施することのみでも意義を有する。研究開発の大競争の中に加わることになるが、競合できる技術となる成果を期待する。 |
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中核技術開発事業として工技センターが分担してる研究課題においては、厚膜圧電体の高機能化のための最適な製造プロセスを明らかにするなど、概ね適切に進捗している。 | ||||||
・技術の有用性は理解できるところであり、具体的な企業での活用が想定されている点も評価できる。 ・計画の進捗は認められるが、肝腎のインク吐出に成功していない点についてより丁寧な説明をしないと、誤解を招くおそれがあるのではないか。 |
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先行するセイコーEPSONの技術の何に優位性を持たせようとしているのか EPSONの技術供与を受けた方が実現の見通しが高いのではないか デバイスはできました。でもシステムとしてはどうなのか |