平成16年度 研究課題外部評価報告書( |
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研究テーマ名 | 濃縮深層水と脱塩深層水の効率的製造 −膜分離法を用いた深層水の濃縮と脱塩− |
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研究実施期間 | 平成11年度 〜 平成15年度 | |||||
研究概要 | 深層水から脱塩水や濃縮深層水を製造することにより、深層水の多目的・多段利用が行えるようになる。そこで、本研究では、過去に行われたことのない膜分離法によって、濃縮深層水(塩分20%)と脱塩深層水(塩分0.015%以下)を製造するシステムを開発することを目的とした。 NF膜、RO膜、NF膜の3段膜処理法による深層水の高濃縮化において、RO膜までの2段処理で15%の濃縮化は可能であった。さらに20%までの高濃縮化を目的に、3段目NF膜を数種類選定したが、いずれも成功しなかった。また、深層水原水の回収率の向上を目指し、1段目NF膜濃縮水を再回収して原水に戻すことにより、30〜40%の回収率を70%程度に向上させることができた。 |
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評価項目* | 目標の達成度 | 研究成果の有用性 | 地域への貢献度・波及効果 | 合 計 | ||
4 | 5 | 5 | 14 | |||
4 | 4 | 4 | 12 | |||
4 | 5 | 5 | 14 | |||
5 | 5 | 5 | 15 | |||
3 | 3 | 3 | 9 | |||
4 | 5 | 5 | 14 | |||
3 | 4 | 4 | 11 | |||
3 | 4 | 4 | 11 | |||
委員平均 | 3.8 | 4.4 | 4.4 | 12.5 | ||
委員のコメント | ||||||
・地域密着型の興味深い研究課題であり、研究成果も当初目標より若干低いものの、充分と考えられる。 ・濃縮濃度の目標を何故20%としたのか、明確にされたい。 ・更なる発展を期待する。 |
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15%で売れるのか説得性が無い。努力は大きかった。 もう一歩進めてほしい。 |
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・所期の目標には達しておられないようですが、この段階でもPRの仕方次第では十分実用、商品化も可能なように思われます。 ・飲料用としての(蛍いかの住む)「富山湾の深層水」、「富山湾の深層水から作った食塩」などブームを作ることが必要かと思います。 |
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目標としていた20%の濃縮水が得られず、15%に留まっていたことを研究者は気にしているようであるが、成果の出ている研究である。 深層水の利用は各地で進められているが、将来、思わぬ病原菌が深層水から見つかる等の負の発見がないとは言えず、マスコミの取り上げ方によっては急速に市場が縮小する危険もある。本研究の範囲ではないが、今後の発展のために、一般消費者を納得させるような安全性に関する検討も合わせて行っておく必要がある。 |
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既存技術の組み合わせであり、データ取得が主体ではあったが、県政の重要課題への取り組みであり、また実用化もなされており、評点以上に高く評価したい。 20%の濃縮目標への不到達に関しては、目標値自体の妥当性を装置の簡易性やエネルギー消費等を総合して評価する必要もあり、マイナスとは判断しがたい。 |
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膜分離法を用いて低コストで濃縮深層水を脱塩深層水を製造する技術を実験室レベルに止まらず、プラントレベルで実証できたことで目標は達成できたと判断できる。 また、成果の普及に関しても各種マスコミの報道され、さらに薬品を使用しないスケール防止対策技術によ脱塩ミネラル水としての活用が期待されているなど、地域への貢献も大きい。 |
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・海洋深層水という富山県の特色ある資源をより一層強化する研究として、地域における意義は大きいと思量。 ・成果については、当初の目標であった20%への濃縮における20%という数字の意味の説明が必ずしも明確でなく、目標達成度の判断をしにくくしている。 ・当初の目標設定そのものに問題があった可能性もあり、今後の課題として検討していただきたい。 ・当研究を基にした具体的なビジネスが開始されていることは大変喜ばしいことで、センターとしてもより積極的な広報に努めていただきたい。 |
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設定20%の根拠は何か |